片面接着キルト芯を家庭用アイロンで付ける方法をご紹介します。キルト芯は、バッグやポーチ、ランチョンマット、小物入れなど、表地と裏地の間に挟んでふっくらさせるのに使います。
一般的によく使用されるキルト芯は片面に糊がついているタイプで、「片面接着キルト芯」という名前で販売されています。100均でもたまにみかけますね。
糊がついていないキルト芯も販売されているのですが、ミシンで縫い合わせるときによれたり、ずれやすいので、扱いにくいです。その点、接着キルト芯なら、あらかじめ表地(または裏地)と接着しておくことでずれたり、よれたりせず、容易に縫い合わせることができます。
キルト芯はアイロンのスチームで付ける?
以前、キルト芯の貼り方を勉強したとき、「キルト芯はアイロンの高温スチームで付ける」と習いました。キルト芯はふっくらしているので、接着芯のように直接アイロンで圧をかけてしまうとつぶれて、ふんわり感がなくなるためです。
そこで、実際やってみたのですが・・・全然接着できませんでした!
普段アイロンのスチームなんて使わないので、なにやら黒いゴミがボロボロ飛び出し、水滴もダラダラと漏れ、キルト芯が大参事となりました。
よくよく勉強し直してみると、どうやらスチームで接着できるのは、ハイパワーで蒸気を噴出できる(業務用)アイロンと、その蒸気を吸引して逃がすバキューム式アイロン台が必要だということでした。
我が家の軟弱コードレスアイロン(しかもスチームなんて使ったことない)では難しいようです。
家庭用アイロンでのキルト芯の貼り方
そこで、強力アイロンと吸引式アイロン台を購入・・・は無理なので、我が家の軟弱アイロン君でキルト芯を直接接着することにしました。
まず、アイロンを「中温」に温めます。
生地を裏面が上になるように置きます。そのうえに接着キルト芯を糊面が下になるように置きます。
そして、直接(当て布なしで)、中温のアイロンを端からかけます。滑らせないで、5~10秒ぐらい上からアイロンをあてます。接着芯のつけかたと同じですね。

中温であればキルト芯が溶けたりしないと思いますが、最初は溶けないかどうか確認しながらかけてください。
アイロンをかけ、少し時間をおいて(粗熱が取れたぐらい)接着しているかどうか確認してみると・・・おそらく完全には接着してないと思います。
そこで、今度は生地を表向きにしてアイロン台に置き、表側からもアイロンをあてます。アイロンから糊までの距離が近いので今度はちゃんと接着すると思います。

キルト芯をうまく接着できない場合は?
裏から、表から、2度もアイロンをかけてもうまく接着できていない部分ができるかもしれません。が!すべてがきっちり接着できている必要はないように思います。
そもそも接着する理由は「縫いやすくするため」なので、縫いやすい程度に接着できていればよし!
ミシンで縫うときに必ずどこかでキルト芯を表地と裏地に縫い付けるようにすれば、使用中に「表地と裏地の間でキルト芯がずれてきた!」ということは避けられます。レッスン(幼稚園)バッグであれば、バッグの入れ口をぐるっと縫うときにキルト芯も一緒に縫い合わせていれば、キルト芯がずれてくることはないはずです。(洗濯は優しく手洗いのほうがいいかもです。いや、むしろ止めたほうが・・)

アイロンを当てたらふわふわ感がなくなる?
で、最初の問題に戻るのですが、「アイロンを直接当ててギューギュー圧をかけたら、キルト芯のふんわり感がなくなるのではないか?」という疑問ですが、はい、ふんわり感は減ります。でも、ぺったんこのぺらんぺらんになるわけではありません。
アイロンを当てたすぐはつぶれたように感じるキルト芯も、時間とともにふんわり感が戻ってきます。100%は戻らなくても気にならないところまでは戻ってくれてると思います。
このあたりは好みがわかれるところだと思います。どうしてもふわふわ感を維持したいならスチームで貼りつける、または接着せずに縫い付ける方法を選ばれるといいですね。
キルト芯の厚みはいろいろと販売されています。わたしはレッスン(幼稚園)バッグ用に2mm厚のキルト芯を使用しています。
もっとふわふわにしたい!という方は、3mm厚のキルト芯も販売されています。逆にもう少し薄手もありますので、作品に合わせて購入してくださいね。
キルト芯の裁断方法
最後に、キルト芯の裁断方法ですが、わたしはざっくり生地サイズぐらいにカットし、アイロンで貼りつけながらカットしています。
とくに、バッグのマチなどの細かい部分は、貼ったりカットしたり貼ったりカットしたりで調節しながら貼っています。

キルト芯は接着芯と違って伸びるので、「あ、ちょっと足りない」と思っても手でさっさとなでつければ伸びて大きさを調整できます。
大きすぎればカットし、小さすぎれば引っ張って伸ばせばうまく調整できますよ。
まとめ
キルト芯の貼り方をご紹介しました。
キルト芯はぶわぶわして縫いにくいのが欠点なので、少し小さめにしておいて、足りない~という場合はちょっと伸ばしてやればいいかなと思っています。制作途中で微調整が効くので扱いやすい資材ですね。